「裏切りは僕の名前を知っている」 第13巻

裏切りは僕の名前を知っている 第13巻 (あすかコミックスDX)



「裏切りは僕の名前を知っている」 第13巻  感想

雑誌で最終話を読んだのがつい先日のように思われますがコミックスでも完結の13巻が早くも発売されて、本当に終わったんだなぁという実感が少しづつ湧いてきたところです。連載時に感想はすでに各号書いているので内容などの詳細はそちらで。表紙の夕月の表情からも流れた時間と夕月自身の成長を感じる。1巻が懐かしく思い出されます。カラー口絵はこちらも懐かしい冷呀と天白さん。アニメDVDのジャケ絵ですね。今見てもホント美しい。この巻にふさわしい二人。Story.57からLast Storyまでの5話分、2016年5月号に掲載された4コマ1p、 2016年3月号に掲載された特別編4p(どちらのリンクも過去記事の感想にとびます)、あとがき2pが掲載されています。そしてカバー下には同じ2016年5月号の中身には掲載されていない4コマが!ページ数の都合でここに載せてくれたのかもしれませんが嬉しいサプライズ。ルカからの一言も嬉しい。本編は雑誌掲載時とは章立てが変わっていて2回にわたって掲載されていたものが一つに繋がっている章があるので連載時とはStory数が違います。以下、ネタバレを含む感想です。

Story.58までは上野の事件の捜査、正宗の弟が亡くなった真相、母の迦耶子さんが復讐に至った経緯など、主に迦耶子さんの話しがメイン。母が事件の共犯者だったと知った正宗の涙が何回見てもツラい。迦耶子さんに冷呀が直接グリムワールを手渡していたこと、同じ神命家の血筋だったことは意外でした。ルゼの登場も予想外で嬉しかった。まさかここでこのタイミングで出てくるとは思わず。ルゼの鋭い美しさとルカの憂いを秘めた美しさの描き分けが見事。夕月、ルカ、ルゼ、三人の会話場面がとても好き。夕月の純粋さに対する反応が二人とも似ている部分があって双子だなぁと思う。Story.59から一気に怒涛の展開に突入。夕月が迦耶子さんを斬ったこと、斎悧が幽閉されたこと、正宗が父親の朱佐玖に体を乗っ取られたこと、全て驚きの連続で。そしてこのあとの奏多さんが戻ってきたような冷呀の言葉とせつない表情、ずっと気になっていた夜御がここで眠りについていたことはいちばんの衝撃だった。これは全く予想外でした。夜御は亡くなったあと誰かに転生したのだと思い込んでいた。夜御が転生したのがユキなのか?と思っていた時期がありました。

終盤に向けて驚きは続く。冷呀がルゼと共に夕月を訪ねてきて「若宮奏多として来た」でまず驚いたし、奪われた夜御の魂を取り戻すために魔王ルシファーを召喚するのが目的だったという話しが壮大で。ここですでに過去形で語られている。そして明かされる黄泉の落日の真実。夜御は天白さんの子供を身ごもったことで元老に殺された。全ての真実を知っていたのは冷呀のみ。一言も書かれてはいないけど冷呀は夜御を愛していたのだろう。そのために怒りにかられて里を滅ぼし、魂を取り戻すために戦い続けていたのだろう。黄泉の落日の真実を描くこと、これがこの作品の大きな終着点のひとつだったことがわかる。せつなく優しい表情、強い決意、奏多さんこそ冷呀の本質だったと思える。

ずっと地下牢で体内のデュラスが静まるのを耐えていた天白さんは朱佐玖に邪眼を使われて真実を知った。襲撃をうける京都の本家。ここからもう本当に怒涛の展開で、よくこのページ数に収まったと思わずにいられない。あとでわかることだけど天白さんは珀幽を殺して復讐したことになるんだな。そして未だにわからない、斎悧の牢にやって来て鍵を開け逃がした人物。最初は朱佐玖かと思ったけどたぶん違う。でも黒いブーツに黒のコートに見えるのでジェネラルクラスのオーパスト?? もしかして個人的にずーっと気になっている6巻に一瞬だけ登場した仮面の男?! それなら斎悧が知っているのもわかる。8巻で斎悧たちと一緒にルカの回想に出ているし、「あの時あの場所にいた者たちがそろう・・・」と黒刀が言っている。京都で愁生と十瑚が遭遇した謎の吸血鬼もこの人物だと思っていた。完全に個人的な推測でしかないけど。この部分が何も明かされずに終わったのは残念。ちょっと話しが横道にそれました。

必死にカデンツァたちと戦う焔椎真、愁生、リアの前に夕月たちが到着して全員集合しての総力戦。短い場面だけどみんなの共闘が見られて良かった。でも天白さんは・・・朱佐玖と共にインフェルヌスの扉に消えてしまった。天白さんがここまで深い設定のあるキャラだったことも本当に予想外でした。天白さんと冷呀、最初に裏切ったのは裏切られていたのは・・・裏切りというキーワードで立場が逆転する表裏一体を成す存在だったことが最終話まで読んで初めてわかった。このあと天白さんがどうなるのか、何とも気掛かり。行方不明になった斎悧も、正宗が元に戻るのかも。狼師匠、斎悧、天白さん・・・やっぱりいろいろ思い出してしまう。「俺はおまえを裏切らない」。最初から変わらないルカの言葉にいろんなことが浄化されてゆく。変わったこともあれば変わらないこともある。最後にみんなが集う姿にここからまた繋がってゆく未来があればいいなと願わずにいられない。これが本当に最終話だなんてまだ信じられない気持ちもある。何回も書いているけど裏僕は本当に好きなキャラばかりで、ストーリーも世界観も大好きで、続きを読めないのが寂しい。でもきっとまたいつか会えるよね。あとがきを読んで、その想いを強くしました。小田切先生には本当に今までお疲れさまでしたという想いと、この作品を生み出してくださったことに感謝しています。まだいろいろ書き足りない気がするけど繰り返しばかりになってしまうのでここらへんで。今はあらためて1巻から全部読み直してアニメのDVDも通して観返してみようと思っています。またどこかで彼らに会えることを願って・・・。


          
関連記事