夏目友人帳 伍 第8話

夏目友人帳 伍 第8話 歪みなき世界  感想

名取さんと的場さんの過去エピソード!観られて嬉しい。夏目くんと田沼くんのエピソードに続けてやることで二人の関係と対比させているんだろうな。学生の頃の名取さんはこんな感じだったのか、と凄く新鮮な驚きがある。お手伝いさんの肩に乗っている妖がかわいかった。つまんで外に放り投げるところも。妖が視えることで孤立している名取少年。夏目くんとよく似てはいるけれど、廃業した祓い屋の名取家に生まれたという境遇は全く違う。冷めた視線と横顔。家族から疎まれ、周囲からは理解されずに日々を送っている名取さんの姿がせつなく哀しい。まだ幼さの感じられる少年らしい言動。未だ力の使い方もわからず、これがあの名取さん?と思うほど繊細な姿。名取さんにもこんな頃があったなんて・・・。

そんな時に家に訪ねて来た祓い屋の式から聞いた会合の話し。会合に出かけてゆく名取さん。そこで的場さんと運命の出会い、と言っていいのだろうか。学生服姿の的場少年もとても新鮮。でも、その余裕のある顔つきも言動もすでに現在の的場さんそのもの。この年齢ですでに完成された的場静司その人。名取さんのほうがひとつ年上。的場さんが最初から「周一さん」と親し気に呼ぶのがまたなんとも含みがある感じで。最初の出会いがこんな感じで現在の二人があんな感じだと思うと、何かいろいろたまらないものがある。的場一門の御曹司という立場ゆえか、的場さんは当初から名取さんに対して上から目線。名取さんが会合で出会う祓い屋のタクマさんがとてもいい人だ。声が山路さんで嬉しい。タクマさんの言葉に感銘を受ける名取さん。どうあるべきか、悩む名取さんにもあたたかい手が差し伸べられる。タクマさんと同じようにメガネをかけて会合へ。名取さんのメガネにはこんな意味があったんだなぁ。

会合に通い続ける名取さん。名取さんの横顔が、ふと夏目くんの横顔と重なって見える。父親の無理解が悲しい。倉にこもって残された資料から独学で勉強する名取さん。タクマさんが妖を祓おうとして怪我をしたことを知り、その場所に出かけてみると、すぐに三本角の妖に出くわした。そこには的場さんも。二人のやりとりからはすでに歩む道も決まっていて余裕の的場さんと、まだ立ち位置の定まらない名取さんという二人の違いが伝わってくる。父親への「例えば誰かを救った存在だったことも、きっと・・・」という名取さんの心の声がせつない。「正しくなりたい。正しいものはきっと、周りを傷つけない」。名取さんの優しさと誠実さ、それゆえの悩みと葛藤。再び妖退治に出かける名取さん。またも気付くと的場さんが。的場さんの言葉にはいちいち棘があり含みがあり。今の名取さんなら取り合いもせず流せるのだろうけれど、素直に反応してしまうのが若さを感じる。名取さんの力や資質にしっかり気付いているのも抜け目ないコワさを感じる。タクマさんが軽い怪我で良かった。

止められたけれど再び三本角が出る場所へ。夏目くんに対してもそうだったけど、的場さんの言葉は確実に人の心に波をたて傷を負わせる。言いたいのに言えない。上手く言葉にならない。それに対して的場さんは「強くならないと何にも守れないよ」。確信的な言葉と表情。的場さんとは離れ、一人で妖を祓おうと意気込む名取さん。他の祓い屋が襲われそうになったところに居合わせて、独学で学んだ札と陣で撃退しようとするが完全には効いてない。そこに後ろから的場さんの弓矢が。二人の共闘も台詞もカッコイイ!弓を放った的場さんの姿も現在と同じくカッコ良かった。「もっと上手く生きなよ。強くなれないんならさ」、「うるせぇよ」。このやりとり!あの的場さんの表情!

「いつまでもどこまで行っても見つからないかもしれない・・・」。名取さんのモノローグが心に沁みる。的場さんに対する複雑な想い。二人の道は違えた。不器用にしか生きられなくとも、ただ自分が信じた道をゆく・・・。眠る名取さんの傍にやって来た的場さん。名取さんのメガネを手にして「こんなので視ようとするから歪んで視えるんじゃないの」。その一言でふっと切れるように終わってしまうのが二人のエピソードらしく思える。あ~こんな過去を見せられたらますます名取さんのことも的場さんのことも気になってしまう。名取さんがこのあとに柊に出会い、夏目くんに出会うのかと思うと心揺さぶられるものがある。こうゆう経験をして大人になって、式を従えた立派な祓い屋になったという経緯に重みを感じる。この過去があったからこそ夏目くんに対する今までの数々の言葉があって、親身になって手助けしてくれたのかと思うと、すごい深みを感じる。


          
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